秋華賞 G1 京都 芝・2000m

一着ブゼンキャンドル
二着クロックワーク
三着ヒシピナクル

大ハズレ

 万馬券には、外した後から見ても「これは獲れたかもしれないのに」と悔しがる万馬券と、「こりゃどうにもならん」と呆れ果てる万馬券があると考えている。今回の秋華賞の9万馬券は、筆者にとっては完全に後者のものである。
 ブゼンキャンドルは、ローズSの回顧では触れてすらいなかったのだが、それは填って上手くいったにすぎないと軽視していたためである。つまり、今回も展開が向いたら掲示板くらいはという程度で、完全にノーマークであった。この勝利も失礼ながら実力というよりは展開が向いた大金星という感が否めないのだが、それでも勝ちは勝ちである。この栄冠を励みに、今後もよく走ってほしいと思う。おめでとう。

 さて、言い訳はこのくらいにしておこう。レースは良馬場で行われた。エイシンルーデンスがほぼ単騎逃げの形になったが、直後からトゥザヴィクトリーやエフテービルサドにつつかれたためか、なかなかペースが落ち着かない。前後半の600mは35.0−37.0秒、1000mは58.4−60.9秒であった。多頭数のためか、ハイペースながらも前後にあまり馬群が広がることがなく、ほぼ1団となったままレースが進められた。3角から後方グループが動き出したのだが、その割に先団がへたっていたためごちゃつき、思うように仕掛けられなかった馬もいたようである。

 有力各馬がトゥザヴィクトリーをマークし、そのトゥザヴィクトリーが早々と潰れたために、後方からマイペースで競馬をした馬達で勝負が決まった。

 トゥザヴィクトリーは重め残りのローズSに比べて、馬体に身が入りパンとしたように見える。その割に馬体重は+4kg。レースでは2番手で流れについていったが、追い出してから反応無しでバタバタ。逃げたエイシンルーデンスすら捕まえられず13着に沈む。
 確かにこのペースに巻き込まれたままでは最後で脚が止まるのもやむを得ないが、それにしても負けすぎである。これは未確認情報であるのだが、どうも以前より痛めていた蹄の様子が思わしくないようである。そのために表面的にしか仕上げられず、プラスの馬体重になっていたのであろうか。それが本当ならどうしてレース前に報道しておかなかったのかと厩舎サイドやマスコミを恨みたくもなるのだが、どちらにしろ追い切りで仕舞いが甘かった様子から、本調子でないことを見抜けなかったのはこちらの落ち度ということか。

 ヒシピナクルはパドックでは少し煩いところを見せていたが、レースではだいたい落ち着いていた。序盤は無理せず中団の外目8番手ほど。3角の下りから動き出し、4角からスパート。直線半ばでは抜け出したのだが、最後は後続と同様の脚色になり、ゴール前で大外の2頭に足下をすくわれた。
 ペースを考えると追いだしはもうちょっと我慢したかったところであるが、外を回っていた上に切れる脚がないのではやむを得ないか。一番強い競馬をしたし、見せ場は十分に作った。距離はこの辺りがいい。もうちょっとは全体に成長が可能。

 フサイチエアデールは中団の内側6番手から。常に先団の後方に取り付くようにし、4角も最内を回り、直線ではトゥザヴィクトリーの外へ出す。追い出してからジリジリ伸びはしたが、5着がせいぜい。内回りで最内にいるだけに下げられないと頑張ったが、その分小脚を使う格好になった。ハイペースに巻き込まれた口。ギリギリまで我慢したかったが、確かに小回りコースで最内にいれば直線で前が塞がる不利を受ける可能性が高いだけに、これもやむを得なかったところか。
 女王杯に向かうのかどうかわからないが、向かうとすれば2200mはちょっと長い感じ。本質的にはマイルがベストと思う。だいぶ逞しくなってはきたが、まだちょっと線が細い感じがする。

 ウメノファイバーはヒシピナクルの後ろから。一緒に上がっていこうとしたが、それほど手応えは良くなく残り600mから押し通し。さすがに地力を見せてヘタリはしなかったが、4着まで。東京でないコースでどうかと言われていたが、阪神と違い芝の軽い京都は苦手ではない様子。ただ、もっと直線が長いコースの方がいい。長距離輸送だが、今回は別に入れ込んではいなかったようだ。勝負所でのヒシピナクルとの手応えの差は、休み明けの分と考えていいだろう。次走は注目。

 エアザイオンはさらに馬体重が減ってもうギリギリの感じ。道中は常になだめながらで、馬群の中程から満を持して追い出していったが、4角のごちゃついたところで揉まれてしまう。思ったように事が運ばなかった割には最後はよく伸びて6着に食い込む。根性があるし性能もあると思うが、まだまだこれからの馬。きっちりと馬体を立て直してほしい。

 ゴールドティアラは16着惨敗。初距離でこのペースではついていけなかった。
 ゴッドインチーフは15着。末脚で勝負をする馬が先団5番手で流れについて行っているようでは話にならない。
 レッドチリペッパーは12着。道中の行きっぷりが悪く、4角では馬群の中を突いたが直線中程まで常に前が邪魔になる形で、競馬になっていない。休み明けで馬体重が−10kg。トモの肉付きが悪く、本調子ではなかったようだ。距離は問題ないと思うし、次々走くらいは注目。

 ブゼンキャンドルは始めから馬群についていくのを放棄して、15番手をマイペースで進む。3角から外々を周り、ウメノファイバーを見る形で追い出していく。勝負所での手応え自体も良かったし、スパートを遅らせた分だけゴール寸前でもよく伸びた。大金星といったが、この馬が勝って不思議というほど弱いわけでもない。オープンで十分やっていけると思う。まだ成長分はありそう。

 クロックワークはブゼンキャンドルのさらに後ろからで、ブゼンキャンドルよりさらに追い出しを遅らせ、さらに外から突っ込んできた。メンバー中最速の上がりで、もうちょっとで勝ちをつかむところ。混戦で台頭するタイプだけに今後も煮え切らないレースが続きそう。それだけにこの2着は惜しかった。

 さて、今年の秋華賞も万馬券となった。若い牝馬のレースは難しいものである。

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