|
まず、予想の方で△印の馬名が抜けていたことをお詫びしたい。本文内容から察していただけるとおり、マイネルプラチナムである。タグの書き間違いであった。(現在は直しています)
雨が降っていたが良馬場発表。これ以前のレースもそれなりにいいタイムであったし、このレース自体が2.00.7となかなかの好タイム。ただ、馬場が荒れているのは相変わらずだし、それと芝が濡れてしまった影響もあったのか、もしくは発馬前のアクシデントのためか、道中の行き脚の悪さが目立つ馬が多かった。
レースはワンダーファングの出走取り消しで単騎逃げとなると思われたヤマニンアクロが逃げられなかったため、引っかかった馬も含め数頭が1角に殺到。1角手前の1ハロンが10.4と速いペース。しかし、1角からあとはペースが落ち着いたため、結局前後半の600mが35.4−36.0秒、1000mが60.1−60.6秒のちょっと前半が速い平均ペース。しかも道中常に12秒代前半で最後が速くなるという、力のいるレースだった。
さて、出走前であるが、輪乗りの間から入れ込みの目立っていたワンダーファングが枠内駐立し左前脚を損傷、発走除外となった。腱部の打撲ということで、歩容にもおかしな所がなかったので大事には至っていないと思うが、ともかく早期の建て直しを望みたい。
問題はワンダーファングの発走除外が決定された後、2度目のファンファーレが鳴ったこと。すなわち、「ファンファーレ−手拍子−新聞振り−喚声」の一連の愚行が2回も行われたのである。中山の2000mは、周知の通りスタート位置がスタンドに近く、ファンファーレも喚声もかなり直接的にスタート前の馬たちに影響を及ぼす。不安通りトウカイダンディーをはじめとした数頭が入れ込み浮き足立ってしまった。
もちろん競馬の興行的な面を考えるとファンファーレを辞めろとまでは言えないし、観客にもレース中に静かにしていろとは言えない。また、多少の騒音にもめげない強いメンタルを持った馬に育てなければならないという意見も、確かに頷けるものではある。しかし、かといって、ただでさえ経験が浅くG1の大観衆の前で舞い上がり加減の若駒に対し、わざわざ入れ込みを煽るようなマネをする必要はないだろう。いいレースを見るためにも、また何より競走馬たちに無事にレースをしてもらうためにも、スタート直前はできるだけ静粛にしたいものである。
このようなことは当サイトでも再三再四言及しているし、他の色々なサイトでも言われていることである。もううんざりだと思っている方もいるかもしれない。しかし、昨年の宝塚記念でもメジロブライトが出走枠内で暴れ、馬体検査の後2度目のファンファーレで完全に舞い上がり競馬にならなかったことは、覚えている方も多いと思う。あのときは当該馬のメジロブライトに何の異常も残らなかったから良かったものの、もし何らかの故障を発生していたら、どうするつもりであったのだろうか。もちろん故障の危険性はどのレースにもあるものだが、あのときのメジロブライトにその危険性がより高かったのは言うまでもないだろう。要するに、競馬ファンもJRAも、あの宝塚記念の経験を全く生かしていないのである。特にJRAにこれほど学習能力がないとは思わなかった。はっきり言って、かなり失望している。やはり、競馬ファンの一人一人に地道にマナーアップを奨めていくしかないのであろうか。残念である。
レース回顧の前置きがかなり長くなってしまった。本題に入ろうと思う。
まず、トウカイダンディー(14着)とマイネルプラチナム(9着)は、入れ込みが激しく全くレースになっていない。今回の結果は度外視していい。ただ、トウカイダンディーは−12kgの馬体重が引っかかる。決して細くはなくよく絞れたということだが、ともかく大幅な馬体減には変わりない。このような時に今回のようなひどいレースをしてしまうと、その後のこの馬のリズムを狂わせる結果となりやすい。先のある馬だし、慎重な建て直しを望みたい。
ヤマニンアクロはスタートから行き脚が最悪で結局10着。やむなくトウカイダンディーやアドマイヤラックの後の3番手からの競馬。全くいいところなく3角で脱落。間隔が開いたのも良くなかったかもしれないが、とりあえず今回の結果からは逃げないとダメだくらいしか評価しようがない。
ドラゴンブライアン(13着)とニシノセイリュウ(12着)はともに最後方から。ドラゴンブライアンは行き脚悪く押し通し。ニシノセイリュウはスムーズに運んでいたが、直線に入っても伸びずじまい。馬体も少し寂しく写った。ニシノセイリュウはまだまだ経験を積まないとどうしようもないし、ドラゴンブライアンはまだまだ本格化は先のようだ。下馬評程度の能力馬になれるかは別として、両馬とももう少し気長に見守っていたいものである。
マイネルシアター(5着)とマイネルタンゴ(4着)はともに3番手の好位から競馬をする。マイネルシアターは序盤に少し気合いをつけすぎてこの位置。マイネルタンゴは始めから頑張って走りすぎてこの位置。後ろから他の馬に来られたため、4角先頭の早めの競馬を余儀なくされたが、どちらももう少し抑えた方がいい。
マイネルシアターはズブくてキレる脚のない根性タイプ。距離は2400mまでは大丈夫そうだが、今回のような早め先頭の競馬は辛い。好位差し程度の位置取りから、残り100mで抜け出せるような競馬が理想か。
マイネルタンゴは最後に後ろから差してきた馬に一瞬で抜かれたが、それまでは2着もと思わせる粘りを見せた。確実に成長しているし、もっとリラックスして脚をためられれば、重賞もあながち夢ではない。ただ、距離は2400mなら少し長いかもしれない。
アドマイヤベガは中団後ろからの競馬。向こう正面までに外に出して3角から上がって行くが、4角でタイクラッシャーなどに前を塞がれ外にテイエムオペラオーに並ばれ行き脚を削がれる。テイエムオペラオーをはじき飛ばしながら無理矢理に外へ持ち出したが、そこでも外に膨らんだタイクラッシャーなどに進路を塞がれ、万事休す。全く競馬にならなかった。
小回りの中山では差し馬にこういった危険性は付き物であるが、−12kgの馬体減の影響か3角での反応がかなり悪かったらしく、進路が開いていても勝ち負けまではどうか分からない。まずは馬体の建て直しからということか。距離はもっと長くても大丈夫で、ダービーでは引き続き有力候補である。
ナリタトップロードは最内の馬場の悪いところに押し込められてアップアップ。濡れた馬場云々より、この凸凹馬場が全然ダメなようだ。4角でも馬群の中で行くに行けず外にも出せず。直線に向いてようやく外に持ち出し前が開いたが、メンバー最速タイの上がりで猛追するも半馬身届かず3着。こちらもアドマイヤベガと同じく多頭数の中山にありがちな負け方をした。
道中の行きっぷりが非常に悪かったのにここまで追い上げた底力は大したもので、さすがに4歳トップクラスの能力を持っている。2000m前後がいいように思われるが、2400mまでなら力が出せるだろう。ダービーでも引き続き注目したい。
オースミブライトはナリタトップロードと対照的に、凸凹馬場も濡れた馬場も平気なようだ。道中は馬群のど真ん中でだいたい折り合いもついた様子でスムーズに進む。3角から気合いをつけて上がっていき、直線入り口ではぽっかり空いた内を突く。そこから一気に伸びたのだが、最後は大外から伸びたテイエムオペラオーに屈する。ほぼ完璧な騎乗で流れも向いたのだが、根性馬タイプだけに早めに先頭に立つ形になったのが痛かった。
前走と違い体調は戻っていた様子。調教の具合が如実に結果に出る馬なのだろう。距離は2000m以上がいい。ダービーでももちろん有力馬の一頭に挙げられる。
テイエムオペラオーはスタートで行き脚がつかない上に外によれて後ろからの競馬。アドマイヤベガの後ろに付き、3角から押しながらアドマイヤベガのさらに外を上がっていく。直線ではアドマイヤベガに押されたりもしたが、全くめげずにすごい脚を使い、首差で皐月賞を制覇。
コーナーではかなりズブい感じがするが、直線に入ってからの瞬発力とトップスピードの高さは特筆もの。逆にこれだけのトップスピードをどれだけ維持できるかという点で、直線の長いダービーでは不安が残るが、3角から押しながら直線で伸びたということは、案外長く脚を使うタイプかもしれない。単にコーナーが苦手なのなら、カーブが緩くなる東京コースの方が競馬がしやすいだろうし、距離も2400m程度は問題なさそう。ダービーでは結果だけでなく、内容も注目したい一頭である。
さて、発走前にアクシデントがありガタガタなレースではあったが、それを除けば波瀾万丈な面白いレースであった。今回敗れた馬たちでもダービーでは巻き返しが期待できるものも多く、まだまだ楽しみな4歳戦線である。
|