菊花賞 G1 京都 芝・3000m

一着ナリタトップロード
二着テイエムオペラオー
三着ラスカルスズカ

△−○です

 晴天に恵まれ良馬場で行われた。仮柵が外された内側の芝の方が、馬場の真ん中やちょっと外よりもいいように見える。ただ、外からの差し馬も伸びていたし、案外と内外の馬場差はないのかもしれない。もちろん、内と外の距離差がある分だけ内側を通った方が有利ではあるが、問題は距離得&馬場得を狙うがために、多くの馬が馬場の内へと殺到してしまうこと。このレースでも、直線入り口ではかなりごちゃついていた。

 レースは予想された通りにスローペース。予想外なのはレースの上がり時計が34.2秒と非常に速く、1000mごとのラップが64.3−64.1−58.7秒と道中がとんでもなくスローだったということ、あとは思い切って先頭に立ったのが4着に粘ったタヤスタモツだったということか。

 ナリタトップロードはスタートで後手を踏み、ちょっと押しながら前へ。ペースがペースだけにあっさり3番手くらいに上がり、メジロロンザンを壁にしながら中団に抑える。序盤に気合いを入れたせいもあってずっと引っかかっていたが、さすがに馬に囲まれているだけあって、何とか我慢し5番手くらいの最内を進む。2周目からは外に出したそうにしていたが、馬込みで抜け出せない。結局、直線に向いてから馬場の中ほどに持ち出してスパート。200mくらい一頭で走っていたこともありゴール前では詰め寄られたが、何とか凌ぎきる。
 ライバルが外でもたついてくれたし、前残りの展開で先行し、この馬自身にとっては破格の上がりを出した。また、さすがにここまでペースが遅ければ、距離問題などは起こらない。展開が味方したのは確か。
 夏越えの成長分は余りなかったようだが、逆に古馬になるにつれ、多少の上積みは期待できそうである。今はどうしても中距離馬という印象が拭えないが、スタミナが付いてもうちょっとおっとりしたら、ステイヤーとしてもやっていけそうである。

 テイエムオペラオーはペースが遅くてもがっちり折り合う。1周目は埒沿いで、アドマイヤベガの内側を並んで進む。3角から馬群が固まってきても馬込みの中で動かず、アドマイヤベガも前に行かす。4角から馬群の中を突いて、前に馬がいたので外へ持ち出す。この分のロスが痛かったといえば痛かったが、前が開いてからは上がり33.8秒という随一の末脚を繰り出して猛追する。首差届かなかったが、この上がり時計ならしょうがないだろう。
 後ろから行くタイプだけに、このような長距離でも融通は利く。おそらくもう200m伸びた天皇賞でも大丈夫。やはりトップスピードは凄まじく、あとはこの脚の使いどころを間違えなければ、古馬になっても一線級でやっていけるだろう。

 アドマイヤベガは1周目の下りで大外に取り残されたため、行きたがってしまう。スタンド前では落ち着いて、10番手くらいの外目へ。3角で馬群が固まってくると、ごちゃつきを嫌って外へ。持って行かれ気味ではあるが、手応えよく7番手くらいまで上がる。が、そこで馬群の中に入れてしまい、直線に入っても残り300m近くになるまで左右と前を囲まれて動けない。上がりのとてつもなく速い競馬ではこのロスは致命的で、伸びなおしたときには前の馬と同じ程度の脚色でしかなかった。結果は6着。
 馬場のいい内側へという思いが頭から離れなかったのか、常に内を見ていた様子。あの位置からさらに外へ出しては距離損が大きいのは確かだし、仕方なかったとも思う。ただ、どうせ勝ちにいくなら、いっそのこと自分の馬の切れ味を信じてさらに外に持ち出すくらいの度胸がほしかった。状況に応じた柔軟な対応を欠いたのは、鞍上のミス。消化不良のレースだった。
 馬自体の能力の高さは疑いなく、古馬になってももう少しの成長は期待できそう。脚質上勝負所でのロスを被りやすいし、不完全燃焼のレースを経験することもよくあると思うが、めげずに頑張ってほしい。

 オースミブライトはゆったりと後ろから。向こう正面では少し掛かり気味に上がっていって中団の最内へ。3角下りからの一気のペースアップには置いていかれ気味だったが、ともかく4角も内埒きちきちを鋭角気味に曲がって直線へ。ただ、やはり瞬発力比べでは厳しく8着。今回は力負け。どうも夏前からの身体面での成長が乏しいように思うのだが。
 サクセスエナジーはテイエムオペラオーのすぐ前を走る。2周目は先行集団のすぐ後ろ、馬群の真ん中にいて、大して掛かることもなく進んでいたが、3角から馬群が固まりもみくちゃにされる。その影響か、直線では全然伸びずに12着。ちょっと期待はずれだったが、まあ、まだまだこれからの馬ということか。

 ペインテドブラックは中団外目で、別に掛かることもなく進んでいたが、3角の下りから早くもスパート開始。外に膨れながら直線に入り、そこでまた内側に鞭を入れたため外によれる。切れ味勝負では確かに辛いものの、早仕掛けに馬が応えられなかった。他の馬にも迷惑を掛けつつの7着。来年以降の馬。
 ブラックタキシードはまたプラス体重で、やっぱりちょっと重めに見える。1周目の下り坂で掛かる。が、2周目の向こう正面では逆に行きっぷりが悪くなっていた。結果はなんとブービー。距離不安もあったが、どうも今回は調子落ちの様子。2走ボケだろうか。

 メジロロンザンはスタート直後は押しながら先頭に立ったのだが、かっちり抑えてだんだん下がっていく。最後はタヤスタモツと叩き合ったが及ばず5着。瞬発力比べは厳しいし、道中ちょっと抑えすぎた感じ。
 フロンタルアタックは9着。向こう正面でかなり掛かって持って行かれていたし、こちらも瞬発力比べは厳しい。もう一皮むけないといけない
 シンボリモンソーは最後方から。最後の直線でペインテドブラックが外に持ち出したあおりを受け、ハデにつまづく。それで10着なら頑張った。怪我はなかったようでなにより。

 ラスカルスズカは出負けして無理せず後方から。1周目はテイエムオペラオーのさらに後ろ。向こう正面で少し掛かって内からテイエムオペラオーに並んでいったが、すぐにまた落ち着く。3角からは先団についていって前の馬の隙間を抜いて伸びる。最後はテイエムオペラオーに交わされたが、本格化前の段階で3着は立派。正直言ってこの距離でこれだけ伸びるとは思わなかった。自在性のあるところも見せたし、順調にいけば来年はだいぶ期待できそう。

 ナリタトップロードについては、このレースは展開が向いたと書いた。しかし、この馬が本当に強い馬だということは、読者諸兄が十分ご存じであろう。皐月賞では凸凹馬場と直線での不利に泣いた。ダービーと京都新聞杯はアドマイヤベガの決め手に屈した。この馬にとっても、若い鞍上にとっても、非常に長く悔しい道のりだったと思う。ペースがどうの、展開がどうのという言葉に耳を貸すことはない。堂々と、胸を張って勝ちを誇ればいい。おめでとう。

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