ジャパン カップ G1 東京 芝・2400m

一着スペシャルウィーク
二着インディジェナス
三着ハイライズ

△-無印でまたもハズレ

 良馬場ではあるが、芝状態はだいぶ凸凹してきた模様。
 アンブラスモアがじわっと出たため、1角までに多くの馬が掛かり気味に。道中は12秒前後で淡々とした流れになり、縦長の展開に。向こう正面ではだいたいの馬が落ち着いていた。前後半の600mが36.3−36.7秒、1000mが60.2−61.1秒と平均よりちょっと速いくらい。4角で前の馬が脚を溜め馬群がつまり、直線に入ってからの瞬発力も要求されるレース。

 スペシャルウィークは完璧な仕上がり具合。レースでは後ろから5番手程度でじっくり追走。3角からちょっと合図をしただけで手応え十分にすうっと6番手まで上がっていき、直線に向いてから追い出す。坂に入ってすぐに先頭に立ち、そのまま後続を抑えて完勝。
 上がり時計は当然メンバー中最速。やはり中距離で差しに徹したときのこの馬は強い。鞍上の勝負所で回らせた位置も良かった。しつこいようだが、宝塚記念などが悔やまれる。このレースが大目標だっただけに調子落ちが心配ではあるが、有馬記念でも当然最有力候補といえよう。

 インディジェナスは去年と今年の香港年度代表馬。香港以外での戦績があまり良くないこともあってノーマークだったが、年度代表馬は伊達ではなかった。外国招待といえば欧米の馬ばかりクローズアップされるが、香港の馬も侮れない。
 追い込み馬の評だったのだが、先行して2番手から3番手の最内。ロスなくきっちり回って4角で一息つき、先行馬壊滅の中で最後までしぶとい脚を使った。強い競馬をして2着は立派。

 ハイライズは中団の7番手外目からで、この馬にはちょっと早めの競馬か。馬群が詰まるのにもついていき、4角ではスペシャルウィークなどに外から並ばれたが我慢。直線に入って馬群がばらけてから追い出し、早めの競馬だったが最後まできっちり伸びた。さすがイギリスダービー馬。追い出した瞬間にはスペシャルウィークに抜かれていたので、着差はコーナーワークと瞬発力の差と考えていいだろう。
 ところで、ハイライズの鞍上はデットーリ騎手。インディジェナス号のホワイト騎手もそうだが、この辺りのジョッキーは本当に追うのが巧い。日本の騎手も見習う点が多々あると思うが、これら海外の一流ジョッキーと争うインターナショナルジョッキーズシリーズが廃止されるらしい。JRAは何を考えているのだろうか。

 モンジューは見た目は完璧な仕上がりだったが、きちんと追い切りができずに中身は万全ではなかった様子。レース前の発汗が非常に多かった。
 レースではスタートが今ひとつで、じっくりと13番手程度の外目、スペシャルウィークの直後を走る。さすがに欧州より1秒近く速いペースに手間取り、多少気合いをつけながらの追走に。スペシャルウィークが上がっていくのに併せて4角手前から押していくが、コーナーで馬群が詰まっていくのについて行ききれず、直線に入る直前からスパート。早め早めのしんどい競馬だったが、最後まで力強く伸びる。上がり36.0秒はメンバー中第2位。
 このレースによる印象は、パワーのあるステイヤータイプ。今回は、堅い馬場、長い輸送、初めての左回り、スピード競馬と初物尽くしであり、さすがにここまで8戦のキャリアの浅さが出たか。だが、それを考えれば4着ではあるが凡走ではない。完成されたように見えるが、まだちょっと成長分は望めそう。すごい馬だ。

 この4頭はすばらしく強い。

 ラスカルスズカはスペシャルウィークの直前を走っていたが、行きっぷりは今ひとつ。どうも1角で馬群に揉まれた際に怯んでしまったらしい。勝負所でも外からスペシャルウィークに絡まれて怯んでしまった。この辺りが未だ5戦の若駒か。直線では最内を突き、一旦は先頭に並ぼうとするが、そこから離される。最後はぽつんと最内で一頭になり、それでも懸命に抵抗したが、前からは4馬身離されて5着。
 前4頭との差は大きいが、これからの馬。それを考えれば決して恥ずかしくない成績であった。これからどれだけ強くなるか、とりあえず来年の宝塚記念が楽しみである。

 ステイゴールドは、序盤がスローだったこともあり5番手につける。早めに仕掛けて4角では2番手まで上がったが、直線では伸びきれずに6着。前走がピークだったようだし、直線に入ってからの瞬発力では劣った。
 スエヒロコマンダーは最後尾からじっくりと行き、直線勝負に賭けて7着。まだ本調子ではないが、格好は付けた。
 アンブラスモアは距離が長すぎて11着。しかし4角では6馬身程度後続を離して気持ちのよい逃げを打った。あれでいいだろう。
 ウメノファイバーはアンブラスモアから6馬身離された12着。凸凹馬場も向いていないし、馬場に水を少し撒いたらしくて、それで足下を気にしていた様子。とはいえ、ここまで負けたのでは力負け。4歳牝馬で古馬に対抗しようと思えば、ヒシアマゾンクラスの強い気性が必要なのか。
 オースミブライトは菊花賞から中2週がすべて。ブービーの13着。
 スティンガーはレース前に入れ込む。序盤も掛かり気味で2番手まで上がる。結局は上位馬からは大きく離され、勝ち時計から4秒遅い最下位。そもそも2番手から競馬をするような馬ではない。毎日王冠と天皇賞が4歳牝馬にはハードすぎたこともあるだろう。

 ボルジアは最後方からの競馬で、追走に苦労し3角から押し通し。直線でも大して伸びなかったが8着までは上がる。フランス最強牝馬も、今年の強行軍は辛かった様子。
 フルーツオブラヴは9着。この馬も3角から押し通しで、こっちは8番手から2番手程度まで一気に上がっていった。結果から見ると、仕掛けが早すぎた。
 タイガーヒルはゲート前にカッカする。レースも掛かり通しで4番手くらいで力みながら走る。直線に向いてからは全く余力がなく、10着。消化不良な競馬。

 この日はエルコンドルパサーの引退式が行われた。まだ引退は早いと外野には思えるのだが、馬自身が早く牧場に帰りたいと言っているのだから仕方がないだろう。今年のジャパンカップでは、日本の戦うことのなかったライバルが勝ち、フランスで苦汁をなめさせられたライバルが負けた。有馬記念では、これも本調子同士で戦うことのなかったライバルが、頂上決戦に挑む。昨年のこのレースを勝ち、フランスの土を駆り、ターフを去っていった彼の目には、これらのライバル達の姿はどう映っていたのだろう。今日のレースを楽しんでくれたのなら、と思う。

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