天皇賞(秋) G1 東京 芝・2000m

一着スペシャルウィーク
二着ステイゴールド
三着エアジハード

ハズレ!

 晴れて良馬場。さすがに芝が荒れ始めてきたが、それでも十分いいコンディション。
 レースでは、アンブラスモアが生涯最高のスタートからハナを奪う。サイレントハンターは行き脚がつかずに4番手最内。外枠のクリスザブレイヴも無理せず3番手外目に。先手を打たれたサクラナミキオーが向こう正面から絡みに行くが、スピードを緩めずにそのまま振り切って単騎逃げの態勢に。4角で脚を溜め、直線でも最後の最後まで先頭を粘り抜く。結果は6着だったが、見せ場は十分に作った。この馬のベストレースと言っていいだろう。
 前後半の600mが35.0−36.3秒、1000mが58.0−60.0秒とハイペースに。 道中はかなり縦長で勝負所でも大してごちゃつくことはなく、最後の100mくらいでは5頭が横一線と、非常に見応えのあるレースだった。

 1番人気のセイウンスカイは、パドックでは適度な気合い乗りであったが、何があったのか地下馬道から急にハイになる。本馬場に入場した途端に走り出し、ダイワテキサスに後ろからぶつかる始末。返し馬が終わった後は落ち着いていたのだが、今度はゲート入りを非常に嫌がる。目隠しされて気合いを入れまくられても、嫌がって柵を蹴ったりして、きかん気を出す。精神面の成長が伺えた札幌記念の落ち着きようとはえらい違いで、この辺が元々が気性難の馬の泣き所か。
 ただ、ゲート入りを嫌がって尻っぱねまでしたのは、係員が真っ正面からでなく横からゲートに入れようとしたのも原因となっているようである。横から近づき90度右折してゲートに引き入れられるという、普段やったことのない入れられ方をしたために、余計つむじを曲げてしまった。その証拠に、最後に正面から入れようとしたら、すんなりゲートに収まっていた。適当な入れ方をしようとした係員も係員なら、それにおとなしく従っていた鞍上も鞍上である。もっとも、普段なら鞍上もそんなことはさせなかったのかもしれない。この辺りが魔の一番人気ということなのか。
 レース前にこれだけ消耗していては勝負以前の問題。中団に控えてスペシャルウィークと一緒に追い出すという戦法も最悪。5着ならよく頑張った方である。ゲート入り再審査でJCも出走禁止と踏んだり蹴ったりの天皇賞だった。有馬記念もパスして年内は調整に当てるようだが、その方がいいだろう。

 結局、スペシャルウィークは2番人気まで上がってきた。太かった前走に比べ、ちょうどというぐらいに馬体は絞れていたが、その差−16kgは急すぎるかという感じ。気迫も今ひとつで、状態は少なくとも絶好とは言えない。
 レースでは後ろから4頭目ぐらいでガッチリ待機。直線に入って外に持ち出すと、セイウンスカイをあっさり振り切る一気の末脚を見せる。展開が向いた面は大きいが、ともかくレコードのおまけつきで快勝。
 再三このサイトで述べているように、この馬は本来は中距離の瞬発型差し馬である。その本来のあり方に則った騎乗をすれば、この程度のパフォーマンスを出す地力を持っているということだ。不本意な乗り方をした宝塚記念までが悔やまれる。
 ただ、短期間の大幅な馬体減にレコード駆けというのだから、反動が心配。JCでも差しに徹すれば十分勝ち負けになると思うが、それで馬体を壊さないように注意してほしい。

 ツルマルツヨシは3番人気。大外枠発走だったが、無理せず中団につく。4角でも内を回りロスのない競馬をしたが、8着止まり。長い脚が使えるタイプではないようなのに、3角からもう手が動いていたのではどうしようもない。この馬にはペースが速かったのだろうか。ここではG1の壁を打ち破ることはできなかったが、逆に2400m程度に延びてゆったりと競馬をした方がいいのかもしれない。次走が見もの。

 ステイゴールドさらに絞れて420kg。きちっと締まっていい感じ。レースでは7番手をマイペースで進み、残り600mから外へ出す。抜群の手応えで4角を回り、直線に向いてからもすごい伸び脚を見せる。強い競馬をしたし、もう一歩で結果をつかむこともできたのに。実に惜しかったが、これがこの馬の宿命なのだろうか。
 ちなみにこのレースは、去年のダービー馬と天皇賞(秋)2着馬で万馬券。ステイゴールドの単勝人気は10位以下。本当に消耗戦には強い馬だ。勝ち馬よりも、我々はこの馬にこそ失礼な予想をしてしまったと恥じ入るばかりである。

 エアジハードは前がぽっかり空いたために、2角で行きたがる。ただ、その後は折り合っていたし勝負所での手応えも良かった。4角でも最内を回り、直線で馬場の中程へ持ち出し、勝ちにいく。強い競馬をしたが、坂を上りきってからは行き脚が鈍りステイゴールドには交わされてしまう。スティンガーに競り勝ったのはさすがだが、結局1ハロン長かったか。休み明けも響いた。夏前よりもレベルアップはしている。マイルCSでは楽しみ。

 スティンガーは馬体重よりも大きく見せていい感じ。パドックからの煩さもいつも程度。道中は行きたがっていたが、8番手ほどでなんとか我慢させ、4角では最内に。直線でも巧く馬場の中程に出し、一旦は抜け出そうとしたエアジハードを差し返す脚を使う。が、最後は4着。相手が強かったとしか言うよりないだろう。この馬はまだ強くなれそう。

 キングヘイローは重かった。スタートして前に壁ができなかったこともあり、するするっと5番手まで。このペースでもやはり掛かる。7着。
 ダイワテキサスは9着。本馬場入場やゲート入りの際にセイウンスカイに体当たりをかまされたり、向こう正面でも下がってこられて危うくなったりと、こっちも散々。ただ、状態は良くなっているので、次も見てみたい。
 サイレントハンターは10着。もうスタートダッシュがつかない。
 メジロブライトは11着。まあ、この距離ならこんなもの。それより前走より2kgばかし馬体重が増えていたのは良かった。
 メイショウオウドウ 14着。  クリスザブレイヴはブービーの16着。スタート直後に揉まれたようで、向こう正面で3番手だったのが入れ込みながら後ろに下がっていく最悪の形。全然走る気になっていなかった。いくら能力値が高くても、こんなに揉まれ弱いのでは仕方がない。

 平成の天馬がターフの露と消えたあの日から1年。今年は全馬が無事に走り終えることができた。ホッカイルソーも元気だ。予想が外れた言い訳ではないが、無事であることが一番だと、そう思う。

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