良馬場で行われた。内側も荒れてきており、馬場は内も外も関係ない状態。
ヤマカツスズランがあっさりとハナに立ったが、前後半の600mが34.0−35.7秒とハイペースに。
勝ち時計は1.32.6とレコードタイム。
勝ったアグネスデジタルはゲートの出が今ひとつで後方から。15番手くらいで、馬群の後ろの外側をついていく。4角では馬群の中へ突入し、直線入り口ではまだ後方から4番手くらいの位置。残り300m前後で左右と前が塞がり万事休すかと思えたが、残り1ハロンで巧く大外へ持ち出し、そこから目の覚めるような追い込みを見せた。上がり時計の34.3秒はもちろんメンバー中最速。
確かに前崩れの展開に助けられたし、鞍上の絶妙としか言いようのない好騎乗のなせる技でもあった。だが、最後の末脚はそれらを吹き飛ばすような凄いものだった。填った勝ちではあったが、夏越えの成長と将来への展望を感じさせる勝利であった。現段階ではマイルが一番合っている。この結果ならば当然芝コースでも問題はない。これだけの末脚を使えるのなら、道中は我慢しないともったいない。無理に後ろに下げる必要はないが、無理に先行する必要もないだろう。
ダイタクリーヴァは主戦騎手の怪我で急に鞍上が安藤(勝)騎手に乗り替わる。馬体重は+14kgだが、休み明けの前走で少し減らしていたからこれでいい具合。
やはりこの馬もスタートに失敗して後ろからの競馬となる。そのまま無理せず10番手よりちょっと後ろくらいの馬群の中を進む。直線入り口でもそのまま馬場の3分どころを進み、ダイワカーリアンとダイタクヤマトの間のぽっかり空いたところを風車ムチで追い立てる。馬もそれに応え、残り150mで先頭へ立つ。勝ったかと思われたが残り50mで疲れたところを交わされた。惜しい2着。
最後に詰めが甘くなったが、勝ち馬に交わされたのはちょうど抜け出たところでもあったし、まあこの競馬をして敗れたのなら仕方のないところ。古馬になれば今回の最後の50mも辛抱できるようになるだろう。マイルから2000mで、今後も良い競馬が期待できる。
鞍上の乗り替わりは、結局この馬が1番人気になったことやいろいろなところで言われている通り、プラスに働いている。逆に鞍上が元に戻ったときにやりにくいだろうが、それも修行である。
メイショウオウドウも上手く填った。序盤は無理せずほぼ最後方から、馬場の良いところを通る。4角からは馬群のど真ん中を突き、直線では開いた内に潜り込んで最後まで垂れることなくよく伸びた。結局は3着止まりだが、勝ち馬と同じ上がり時計を出したのだしやむを得ないところ。やはりもう少しゆったりしたレースの方が良く、マイルが本質的に向いているわけではない。
ダイタクヤマトは行きたがる他の馬を先に行かせて、マイペースで5番手から。4角では絶好の手応えで最内を回り、逃げるヤマカツスズランの少し外へ出し、並びかける。残り300m強からから鞭を入れて抜けだし、あるいはと思わせたが、最後はジリジリ流れ込むようにして4着に。
鞍上は「囲まれないように早めに動いた」と言ったが、抑えても切れる脚がないのだから、結果的には正解。文句なしの騎乗だった。強い競馬をしたが、最後は距離延長が効いたということだろう。しかし、今調子がいいだけに来年までこれといった舞台がないのが惜しまれる。いくら晩成と言っても、いつまでこのデキを保てるか。
エイシンプレストンは出遅れて最後方から。推しながら中団へ上げ、最内を進む。残り600mから早めに仕掛け、直線入り口でスムーズに外へ出してスパート。しかし、今ひとつ切れる脚を使えず、こちらもジリジリと5着を確保。
鞍上はレース後に「前半にもう少しじっくり乗っていたら」と言っていたが、あんなに出負けしてはスタートで勝敗は決していたと考えた方がいいだろう。しかし無理矢理な競馬で掲示板に乗っているのだから、思った以上に力をつけている。次走は面白い。
ブラックホークは中団から。しかし追って伸びず。スプリント戦に慣れすぎてしまったというのもあるだろうが、どうも年齢的な衰えが無視できなくなってきたようだ。次走がポイント。
キングヘイローはやはり中団からだが7着。この距離がいいわけでもないし、性格面での成長も結局見られないまま。
シンボリインディは11着。3角で手応えなし。前走の激走の反動か。外国人の剛腕騎手で激走した後は反動に注意と言われていたが、その通りになった。
ヤマカツスズランは押して押してハナに。ダイワカーリアンに3角から絡まれつつも、そのまま先頭を死守し、最内を回って直線へ。しかし余力はなく、残り300mで完全に止まり14着。
せっかくすんなりハナに立てたのに、あんなハイペースで飛ばしてはどうしようもない。馬も人もあまりに若すぎる大敗であった。が、「ハイペースで飛ばして良いタイプの逃げ馬」でないことが改めて判っただけでも良しとするか。そもそも先行馬ではあっても逃げ馬ではないので、鞍上がレース後に言っているように行為に控えるレース運びを覚えるところから再スタートだ。
勝ち馬が単勝13番人気であったので、馬連が1万8千円の万馬券に。やはり荒れた20世紀最後の短距離戦だったが、21世紀に向けて実りのあるレースであったことは、喜ばしい限りである。
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