フェブラリー ステークス G1 東京 ダート・1600m

一着ウイングアロー
二着ゴールドティアラ
三着ファストフレンド

○−▲では押さえ程度

 とりあえず雨は免れた。凍結防止剤を撒かれたものの水分含有率は4.3%で、良馬場(9%まで)の範囲内。今後も馬場の水分含有率は一般に公表してもらいたいものである。
 レースはオリオンザサンクスが思い切り飛ばし、前後半の600mが33.7−37.9秒の超ハイペースに。2番手のキョウエイマーチ以降は離れて追走していたが、それでも十分にハイペースだった。

 ウイングアローは−18kgと、前走までと一変した仕上げ。やはりマイルは短いようで、スタートから全く行き脚がつかなくて、最後方からの競馬となる。しかも4角では置いて行かれかけ、大外でゴールドティアラがスパートをかけて開いたところを追いかけるようにして走る始末。しかし、そこからまさに矢のような伸び脚を見せ、一気に先団を捉える。坂を上りきってからさらにもう一伸びし、ゴール直前でG1をもぎ取った。
 道中のもたつき加減を考えると展開に助けられた面は否めないが、よく切れたのも事実。能力はさすがに高い。直線入り口では外に持ち出したい鞍上と、内に入りたい馬が喧嘩したらしく、逆にこれで闘争心に火がついたのかもしれない。きっちり絞れたし、いろいろと上手くいった。
 脚質上、どうしても展開に左右される面は大きいし、「追える」鞍上かどうかも成績に左右することと思う。また、府中のように直線の長いコースでないと厳しいこともあるだろう。しかし、日本ダート馬代表の一頭として、胸を張れるだけのパフォーマンスは示せたと思う。今後を無事に乗り切って、秋の国際G1に臨んでほしいものである。

 ゴールドティアラは−16kgと、脂肪をいっさい抜き取ったギリギリの馬体。道中は12番手ほどの馬込みの中。4角から大外に持ち出し、すごい伸び脚を見せる。やはりハイペースに助けられたわけだが、ダートで高い能力を持っていることを改めて示せた。叩き合いを制した勝負根性も光る。距離もマイルまでなら問題ないようだ。今後がますます楽しみ。

 ファストフレンドは確かに疲れなくレースを迎えられた模様。レースではウイングアローの直前と、最後方に近い位置取りで内ラチ沿いを進む。4角から外に持ち出し、外からゴールドティアラに被せられながらも、狭い馬群の隙間を突いてガンガン上がっていった。3着に終わったが、川崎エンプレス杯勝ちが伊達でないことは証明できた。序盤の芝でダッシュが付かなかったのが痛かった。

 セレクトグリーンはメイセイオペラの真後ろからの競馬で、直線入り口でコーナーワークを利用して外からメイセイオペラに並びにかかる。結局は並ぶことはできなかったが、十分見せ場を作って5着。距離がちょっと長かった分、最後はへたったが、以前よりもずっと力はつけている。

 オースミジェットは上位とは完敗の感のある6着。こんな速い流れはダメだった。内に入れたばかりに勝負所でも前が詰まった。
 バトルラインはレース前から歩容が硬く、調子が今ひとつ。10着だったが、それよりもゴールをすぎてから止め際で故障発生したらしい方が問題である。その後に結局引退したものの、怪我のことは全然ニュースになってはいないので、大したことはなかったのだと思うが。決め手が甘いもののいいレースを繰り返していたダート巧者である。産駒には、ぜひ砂の王者を送り出して欲しいものだ。
 オリオンザサンクスは休み明けで掛かったのが全て。序盤が芝なのもあって気合いを付けていったが、それが裏目に出たか。15着のブービー。
 7着のアローセプテンバーも序盤の芝で行き脚が今ひとつ。抑えて中団からの競馬だったが、これでは全然持ち味が生きない。自分の好きなペースで行ってこその馬。

 キョウエイマーチは先頭から3馬身ほど離れた2番手からの競馬。2番手からになったのは、行かなかったというより行けなかったということ。4角でもう手応えをなくして11着。「やはり芝の方がいいか」などと鞍上がレース後に述べていたが、そんなことは初めから分かっていたこと。まだ引退せずに高松宮記念を目指すようだが、すでにG1では「ここまで」という感じ。早く休ませてやった方がいい。

 キングヘイローはスムーズに最内を追走しているように見えたが、砂をかぶって走る気なし。13着。気むずかしい馬なのだから十分予想できた結果ではあったが、この馬については悪い予想ばかり当たるようだ。同じく初挑戦であったスプリンターズSでは速い流れと元来の能力の高さが幸いしたが、何度もG1で初挑戦が上手く行くことはない。せっかくスプリンターズSで鞍上を古巣に戻したのに、なんで相性の良くない今回の鞍上に入れ替えたのかもわからない。そもそも、なんでこの馬が1番人気になったのかも不思議。このレースは分からないことだらけだった。
 シンボリインディも9着と全頭数の半分以下の着順で、さもありなんと言ったところ。4歳秋の有馬ぶっつけも含めて、G1を舐めすぎている。が、前走から引き続きそんなに調子は良くなかったことを考えると、この結果なら以外とよく走っている方か。1からの出直しを望む。
 レッドチリペッパーもやはり芝向き。14着ではそれだけしか言えない。

 メイセイオペラは、ハイペースの3番手から自分で動いて前を捕まえに行く王様競馬をした。
 もともとうるさい方の馬だったのだが、パドックではむしろぼけっとして、むしろ気合い不足にも見えた。馬体重も、大敗した前走から+10kgと重め残り。まずまずのスタートを切ってから、押して押して3番手に。ハイペースでも、道中はさすがに余裕を持って追走し、そのままキョウエイマーチから2馬身離れた単騎3番手をキープする。3角からは馬なりで上がり、4角からじわじわと仕掛けていく。本格的なスパートは直線に向いて坂に入ってから。叩き合ったセレクトグリーンらはねじ伏せ、貫禄の伸び脚を見せはしたが、残り50mで力尽きる。4着。
 状態が完全でないことから、早めの粘り残しを狙う作戦だったみたいだが、結果的には陣営側の判断ミス。鞍上もレースのペースを考えてスパートはギリギリまで遅らせたが、初めに深追いしすぎた。ハイペースになるのは分かり切っていたのだから、無理に王様競馬で勝ちにいくことはなかった。もっとも、それをさせようと思わせるだけの力と名声のある馬であったことも確かである。この馬自体は完璧なレースをした。さすがに力は日本ダート界最上位だ。

 ダートの帝王は敗れたものの、しかし、上位を独占したのは生粋のダート巧者達であった。これでこそダートG1であろう。ドバイWCでしばしば見られるような、芝・ダート両用のパーフェクトホースも魅力ではあるが、やはりその道のスペシャリストというものはカッコイイものである。

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