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良馬場で行われた。内側の芝は荒れているが、去年に比べるとマシな方。
レースは、逃げるはずのホットシークレットが出負けし、前後半の1000mが63.7−60.3秒とスローペースとなる。ただ、3角周辺で11秒前半のラップが出るなどペースアップしたため、前後半の600mは37.8−37.2秒、最速の上がり時計がキングヘイローの36.0秒と、最後は力勝負のレースとなった。
テイエムオペラオーは、やはり良くもなく悪くもないというデキにあった。
スタート自体はまずまずで、中団待機しようとする。しかし、1周目の第4コーナーで、前のトーホウシデンが下がり外のメイショウドトウが内に入ってきたために、そのメイショウドトウと接触して鞍上が立ち上がる不利を受ける。そこで手綱を引いたために、スタンド前では後方13番手からの競馬を余儀なくされる。しかも外をアドマイヤボスに押さえられたために、向こう正面でも全く動けない状態に。なんとか3角辺りで外へ持ち出せそうになったが、そこでは全馬が一斉にペースアップしたため、馬群を捌くまでには至らず、馬群の中に突っ込みに行く感じで押して押して直線へ向かう。その直線では、入り口で先頭から6馬身差の12番手の馬群の中という絶望的な位置におり、しかも馬群は広がらない。案の定、右前にいたトーホウシデンが坂下で脱落したため進路がなくなり、外へ出そうとする。しかし、出して伸びかけた外にはメイショウドトウがおり、しかもナリタトップロードが下がってきたためにまたもや行き場を無くす。が、ナリタトップロードとメイショウドトウの間の僅かな隙に飛び込み、ギリギリに、ガリガリに、力尽くで、薙払いながら、跳ね飛ばしながら、無理矢理抜け出てきた。一旦交わしたメイショウドトウが差し返してきたが、辛くも凌いでゴールへ。
極めて厳しい競馬だったが、馬が強かった。それだけだろう。騎乗は最悪だった。結果論ではあるが、例えば向こう正面で後続との差が開いていたので、その時にあえて後ろに下げてアドマイヤボスの外へ持ち出すなどの手法も考えられたところだった。いろいろと不利を受けるなどやむを得ない部分が多く、気の毒ではあったが、「プロならば不利を受けないように乗れ」ということである。
まあ、ここまでのハードラックはそうないであろう。これをくぐり抜けたということは、今更ながらも出走各馬に最後の引導を渡したということである。成長のピークは既に過ぎており、来年は自らの状態管理と新興勢力との戦いということになる。冬の間にじっくり休んで、英気を養って欲しい。
メイショウドトウは出足が悪く少し後ろ目から。上述した通り、1周目にテイエムオペラオーに接触し少しふらついたが、大きな影響は受けずに10番手ほどを進む。いつもながら行きたがってはいたが、馬群の中だったことや荒れた馬場を気にしてか、いつもほど入れ込むことはなかった。向こう正面で外に持ち出すと、ちょうど馬群がペースアップするのに合わせるような感じですうっと上がろうとする。しかし、逆に4角では置いて行かれそうになったため、直線に向いたところではこちらも馬群の中に閉じこめられてしまった。しかし、外側はメイショウオウドウが壁となっていたが、前のダイワテキサスが垂れずによく伸びたため、前方がぽっかり空き、坂に入った直後には存分に追うことができた。坂の途中でテイエムオペラオーと馬体を併せた時は、しかし先行していたのだが、残り100mで一気に交わされてしまう。離されることなく食い下がり、坂を上りきってからは逆にバテた相手を差し返しに行ったのだが、ハナ差届かずゴールへ。
惜しかった。筆者の見込み違いとかではなくて、この馬は本当に底力を増してきている。少なくとも宝塚記念で見たよりも、ずっと強くなっている。ペースに助けられたこともあるが、距離が保ったのも大きい。だが、やはりテイエムオペラオーには絶対に勝てないのだが。
ダイワテキサスは終始馬群の外目を回る。道中は7番手ほどをいい感じで進め、2周目の3角から徐々に仕掛けて大外を捲っていく。4角で大外2番手、坂に入ったところでナリタトップロードを交わして先頭に立つと、内へ切り込みながら長い脚を使い、後続を引き離そうとする。残り100mで力尽きたものの、十二分に見せ場を作った3着。
関係者も鞍上もさすがに大きな期待はしていなかったようだが、無欲のなせる技か、今年になってとびっきりのレースをした。何度も言っているように年齢的なピークはとっくに済んでおり、それは全盛期の頃にあった剃刀のような末脚が見る影もないところに現れているのだが、逆に渋太く長い脚を使えるようになった。また、それを生かした鞍上の賭けもはまった。いい競馬だった。
キングヘイローは最後方で死んだふり。直線だけのレースをして、しかしメンバー中最速の精一杯の上がりを出し、4着。5歳の初めから中長距離戦で修行しておればと悔やまれる。
アドマイヤボスはやはり後方からの競馬で5着。キャリア4戦でこれなら上出来。
ステイゴールドは終始馬群の内に閉じこめられる。2周目の3角で、前にいたゴーイングスズカが受けた不利のあおりを受け、一旦は右鐙が外れるという大きなロス。その後は盛り返したが7着。3角は馬群が密集していた上に一気にペースが上がった勝負所で、差し馬が被りやすい不利だったとはいえ、あまりに不運だった。
ホットシークレットは出足が最悪だった上に、馬群の外に出したら嬉しがって走ってしまい、向こう正面で先頭に並ぶ。それでも直線まで頑張っていたのだが、坂でばったり。10着。何とも言いようがない。
マチカネキンノホシは12着。馬群で揉まれて馬場の悪いところを通らされて、見せ場なし。G1ではこんなもの。
トーホウシデンは1周目から変な具合に下げてリズム悪し。勝負所でも挟まれたり滑ったりしてレースどころではない状態に。14着。ちょっと不甲斐ないが、4歳馬が負けるときはこんなものか。こういう敗戦は尾を引きやすいし、しっかり立て直して欲しい。
ナリタトップロードは好位外目の願ってもないレース展開に。残り800mからロングスパートをかけ、4角手前では先頭に立つ。が、坂に入ったところで行き脚をなくしてしまう。9着。
見せ場は作ったにしても、あまりにあっさりだった。距離が長い、馬場が合わない、ステイヤーズSから中2週で体調が今ひとつなど、色々考えられるが、敗戦続きで馬のリズムが崩れてしまっているとも考えられる。ここは2000m程度の必勝レースでしっかりと勝ち、体勢を立て直して欲しい。
ツルマルツヨシは2周目3コーナーで手前を替えた時にやったらしい。左前繋靭帯断裂で、直線半ばで競争中止。そのまま引退となった。馬体の張りも良く、あわやと思わせるデキだっただけに残念でならない。だが、生命が助かったのは何よりである。朝日CCと京都大章典勝ちでは種牡馬となれないようであるが、なんとかして天寿を全うできる道を見つけてもらいたいものだ。
度重なるアクシデントがあり、やりきれない事故もあった。しかし、競争自体は、波乱に富んだ、見るべきものの多い大一番であった。テイエムオペラオーに開けられた溝はあまりに大きいが、彼を打ち負かすほどの新しい力が、新世紀には生まれ出てほしいものだ。
末筆になるが、今年一年間素晴らしいレースを見せ続けてくれた、競馬関係者各位ならびに競走馬達に謝意を表し、締めとしたい。
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